疾患別(プライマリ・ケア医が診る感染症)

2024-10-23肺炎

起因菌不明の市中肺炎

起因菌不明の市中肺炎の治療

起因菌が不明ですが軽症であり、在宅での治療を選択するのであれば、経験的にはアモキシシリン・クラブラン酸(オーグメンチン配合錠®)とアモキシシリン(サワシリンカプセル®)を併用します。

中等症以上の肺炎で、起因菌が不明ならば入院治療が原則です。それでも外来や在宅で治療すると決めたのであれば、経験的にはセフトリアキソン(ロセフィン®)を静脈注射します。異型肺炎の可能性も疑っているときは、アジスロマイシン(ジスロマック錠®)を併用します。

これらの治療に不応のときは、MRSAやESBL産生腸内細菌など薬剤耐性菌による肺炎の可能性が高まります
。あるいは診断が間違っている可能性もあります。そのため、後方病院へ紹介するのが良いです。


起因菌不明の市中肺炎の治療
軽症アモキシシリン・クラブラン酸(オーグメンチン配合錠250RS®)1錠とアモキシシリン(サワシリンカプセル®)1回250mgを併用して1日3回、5~7日間経口投与する。
〔異型肺炎も疑うとき〕上記に併用して、アジスロマイシン(ジスロマック錠®)1回500mgを1日1回、3日間経口投与する。
中等症以上セフトリアキソン(ロセフィン®)1gを24時間おきに5~7日間静脈注射する。ただし、症状が改善したところで残りの日数はアモキシシリン・クラブラン酸とアモキシシリンの併用に変更してよい(血培陽性を除く)。
〔異型肺炎も疑うとき〕上記に併用して、アジスロマイシン(ジスロマック錠®)1回500mgを1日1回、3日間経口投与する。

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