疾患別(プライマリ・ケア医が診る感染症)
2024-09-03性感染症(梅毒、淋菌、クラミジア、HIV)
梅毒
梅毒とは
梅毒トレポネーマという病原体により引き起こされる感染症です。主にセックスなどの性的接触により、口や性器などの粘膜や皮膚から感染する性感染症です。オーラルセックス(口腔性交)やアナルセックス(肛門性交)などでも感染します。また、一度治っても再び感染することがあります。
症状
梅毒の症状は、感染後の経過時間によって異なります。
第1期: 感染後約3週間で、性器や口の中(感染部位)にしこりや潰瘍(ただれ)が現れますが、痛みはほとんどありません。治療しなくても2〜3週間で自然に消えることがあります。また、感染部位の近くのリンパ節が腫れることがありますが、これも痛みを伴わず、自然に消えることがあります
第2期: 感染後3か月程度で、手のひらや足の裏を含む全身に、痛み、かゆみのない発疹が現れることがあります。
潜伏梅毒: 症状がないまま数年を経過することもありますが、病気は進行しています。
晩期梅毒: 数年から数十年後に、心血管や神経系に重大な障害を引き起こすことがあります
第1期: 感染後約3週間で、性器や口の中(感染部位)にしこりや潰瘍(ただれ)が現れますが、痛みはほとんどありません。治療しなくても2〜3週間で自然に消えることがあります。また、感染部位の近くのリンパ節が腫れることがありますが、これも痛みを伴わず、自然に消えることがあります
第2期: 感染後3か月程度で、手のひらや足の裏を含む全身に、痛み、かゆみのない発疹が現れることがあります。
潜伏梅毒: 症状がないまま数年を経過することもありますが、病気は進行しています。
晩期梅毒: 数年から数十年後に、心血管や神経系に重大な障害を引き起こすことがあります
検査方法
主に血液検査によって行われ、以下の2つの抗体検査が一般的です。
・非トレポネーマ抗体検査(RPR法検査):
梅毒に感染すると、カルジオリピンという物質に対する抗体が生成されます。この抗体を測定することで、梅毒の活動性を判断します。
感染から2週間以降に陽性になります. 治療後は陰性になることが多いです。ただし、肝臓の病気や自己免疫疾患がある場合、梅毒でなくても陽性になることがあります.
・トレポネーマ抗体検査(TP法検査):
梅毒に特異的な抗体(TP抗体)の有無を調べる検査で、梅毒以外では陽性になりませんが、過去に梅毒に感染したことがある場合は生涯陽性となります。
感染から4〜6週間以降に陽性になります.
これらの検査は、併用することでより正確な診断が可能です。感染から一定期間が経過しないと正確な結果が得られないため、検査のタイミングも重要です
・非トレポネーマ抗体検査(RPR法検査):
梅毒に感染すると、カルジオリピンという物質に対する抗体が生成されます。この抗体を測定することで、梅毒の活動性を判断します。
感染から2週間以降に陽性になります. 治療後は陰性になることが多いです。ただし、肝臓の病気や自己免疫疾患がある場合、梅毒でなくても陽性になることがあります.
・トレポネーマ抗体検査(TP法検査):
梅毒に特異的な抗体(TP抗体)の有無を調べる検査で、梅毒以外では陽性になりませんが、過去に梅毒に感染したことがある場合は生涯陽性となります。
感染から4〜6週間以降に陽性になります.
これらの検査は、併用することでより正確な診断が可能です。感染から一定期間が経過しないと正確な結果が得られないため、検査のタイミングも重要です
非トレポネーマ抗原検査 | トレポネーマ抗原検査 | 結果の解釈 |
ー | ー | ・梅毒ではない ・梅毒感染のごく初期 |
+ | ー | ・偽陽性 ・梅毒感染の初期 |
ー | + | ・梅毒治療後(現在の活動性なし) ・偽陽性 |
+ | + | ・現在の活動性感染(RPR≧1:8) ・梅毒治療中 |
治療
梅毒は、ペニシリン系の抗菌薬で治療します。
治療開始後から3,6,9,12,24か月後に非トレポネーマ検査(RPR)を確認し、治療開始前のRPRと比べて4倍以上低下したら治療終了と判断する目安となる。
第1期・第2期・早期潜伏梅毒 ベンジルペニシリンベンザチン240万単位筋注1回 ・入手困難の場合 アモキシシリン500㎎ 1日3回 +プロべネシド(250㎎)1錠 1日3回 14日間 ・ペニシリンアレルギーの場合 ドキシサイクリン100㎎ 1日2回 14日間 |
後期潜伏梅毒・感染時期不明の潜伏梅毒 ベンジルペニシリンベンザチン240万単位筋注 週1回を3回 または ペニシリンG 300~400万単位を4時間ごとに点滴静注 14日間 |
神経梅毒 PCG1回400万単位を4時間ごとに点滴静注 14日間 |
治療開始後から3,6,9,12,24か月後に非トレポネーマ検査(RPR)を確認し、治療開始前のRPRと比べて4倍以上低下したら治療終了と判断する目安となる。
妊娠と梅毒
妊娠中に梅毒に感染すると、胎児にも感染し、流産や死産、先天性障害の原因となることがあります。妊婦検診で梅毒の血液検査をしています。感染が確認された場合は迅速に治療を受けることが重要です。
予防
感染予防には、性的接触時のコンドームの使用が推奨されます。しかし、完全な予防策はありません。感染の疑いがある場合は、早めに医療機関で検査を受けることが重要です。
プライマリ・ケアにおける診察のポイント
梅毒は症状が多彩で、症状が出現したり自然に消えることもあり、発症に気づかないことがあります。初期の局所症状が消えて、しばらく経過してから(4〜10週間)、全身に発疹がでることがあり、この発疹は手のひらや足の裏にもでやすいことが特徴です。この皮疹を見逃さないことが大切です。治療せずに放置していると心血管や神経、さまざまな臓器に影響を及ぼす可能性があり、妊娠中に感染すると、胎盤を通じて胎児が発症する恐れがあるため、注意が必要です。梅毒を疑ったら検査をしましょう。
参考サイト・文献
1)梅毒, 性感染症 診断・治療 ガイドライン 2020(一部改訂)(2023.06.13)
http://jssti.umin.jp/pdf/baidokukaikou_20230620.pdf
2)梅毒治療の現状について
IASR Vol. 44 p194-195: 2023年12月号
https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2617-related-articles/related-articles-526/12416-526r05.html
http://jssti.umin.jp/pdf/baidokukaikou_20230620.pdf
2)梅毒治療の現状について
IASR Vol. 44 p194-195: 2023年12月号
https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2617-related-articles/related-articles-526/12416-526r05.html
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